萩に別れを告げるスポットは、「道の駅 萩往還(はぎおうかん)」だ。ところで、萩往還は、江戸時代萩と瀬戸内海の防府の藩の港「三田尻(みたじり)」を結ぶ動脈で、参勤交代の藩主や幕末の志士たちも往来した。
藩主たちは、江戸に行けば楽しいことがあり少々うかれていたかもしれえないが、中には悲壮な決意でこの道をたどった者もいた。江戸での処刑を覚悟していた「吉田松陰」である。道の駅から東側山づたいの細い道がかつての「萩往還」で、の中ほどに萩が最後に見えるところがある。そこにはかつて一本の松があり、松陰が萩との別れを惜しんで涙した。
「かえらじと思いさだめしたびなれば 一入(ひとしお)ぬるる涙松かな」。現在は枯れてしまって石碑だけが建っている。