吉田稔麿誕生地をさらに行き伊藤博文(いとうひろぶみ)旧宅を過ごすと片山東熊(かたやまとうくま)別邸跡につく。
片山は、松陰神社のところで紹介した長州ファイブの一人山尾庸三(やまおようぞう)らが創設にかかわった工部大学校(現東京大学工学部)の一期生である。誕生は、松陰らが収監された野山獄・岩倉獄跡がある今古萩町で、別邸がいつどういう経緯で設けられたのかははっきりしない。工部大学校では、日本建築界の基礎を築いたイギリス人ジョサイア・コンドルに建築学を学んだ。同期生には、東京駅を設計した辰野金吾らがいる。片山は、明治以降の建物では初めて国宝に指定された旧東宮御所(現・迎賓館)をはじめ、東京国立博物館表慶館・京都国立博物館など多くの建築物を手掛けている。