神話の時代、出雲国に勢力のあった「須佐之男命(すさのおのみこと)」が、大陸に渡る際に須佐のシンボル「高山(こうやま)」に立って航路を定めたとされることから「須佐」の地名がある。
須佐之男命から生まれた神様に「市杵島姫神(いちきしまひめがみ)(「弁天様(べんてんさま)」がいる。
この神様は、福岡の宗像大社をはじめ海と関係の深いところには特に多く祭られている神様で「海上守護」の神様である。須佐では古くから「高山」に祭られていたが、江戸時代湾内の「弁天島」に移り、明治時代の末に国の政策で「三穂神社(みほじんじゃ)」に合祀される。
しかし、毎年7月27日・28日に行われる須佐夏祭りでは、「弁天祭」が行われる。これは弁天様を11艘の船で須佐湾内を3周し弁天島まで連れ帰る神事である。
石見神楽(いわみかぐら)の奉納も行われ須佐の夏を神代の世界に染め、大花火大会がいろどりをそえる。ところで、須佐の沖の海では「命イカ」のブランドで有名になったケンサキイカが水揚げされる。須佐夏祭りは、命イカ祭り名で親しまれるが、今年は気候変動のためイカが獲れない。
須佐之男命の流れをくむもののふの神、八幡様が座るのが「松崎八幡宮(まつざきはちまんぐう)」である。
この神社は、大化六年(650年)に大分県にある宇佐八幡宮から勧進されたもので、須佐では最も古い神社である。