須佐は、萩の町から国道の191号線を北へ35キロメートルのところにある町で、さらに足を延ばせば益田市(島根県)がある。山陰海岸には珍しく小さな島々の浮かぶ波静かな風光明媚な「須佐湾」と神の山「高山(こうやま)」を抱えるエリアである。

須佐湾から高山を眺める

高山から須佐湾を眺める
須佐湾は、「おぼれ谷」という地形で、海面が上昇してできた谷である湾に小島や入江が見られる。北浦地方には珍しいエーゲ海風の景色をみせている。「西の松島」と呼ばれ、国の「名勝及び天然記念物」に指定されている。しかし、湾を一歩外に出ると「屛風岩」に代表されるような北浦らしい男性的な海岸線が展開している。

屏風岩
今から約1500万年前、須佐の大地に大きな変化が起こる。元々大陸の一部であった日本列島が現在の原型を示すようになる。その時のエネルギーで地下のマグマが地表近くまで顔を出して「高山」を造る。一方、海底に堆積していた白い砂や黒い泥は、マグマの熱で白と黒のサンドイッチ状の縞模様の岩に変化しホルンフェルスができる。

ホルンフェルス遠謀

ホルンフェルス
高山ができると周辺には凹みができる。この凹みに海水が入ってできたのが「須佐湾」である。