見島は、萩の沖45㎞にある今から1200万年前の噴火でできた島である。この島の話はまた別の機会に譲るとして、萩と見島の間は連絡船が走っており、昔は片道2時間を要した。
そこで、21年前、高速船「おにようず」が就航し、萩と見島を75分で結ぶことになった。「おにようず」の名は、平安の昔から見島の人たちが、長男が生まれた家で子どもの成長を祈って正月に上げる鬼の顔が描かれた大凧のこと。
この高速船は、いまごろ第二の人生ギリシアの海を走っているとのこと。「おにようず」のトレードマークはどうなったのかな。
かわって、四月一日に就航した高速船「ゆりや」は、パワーアップし早ければ1時間で見島に着く。乗り心地も良くほとんど揺れない。
「ゆりや」は見島の東部砂見田海岸に生息する直径5mmほどの小さな貝の名からきている。この貝は、最初は巻貝だが成長すると二枚貝のようになる珍種で、生物学者でいらした昭和天皇は、昭和三十八年山口国体の時、萩を訪れ笠山から見島をながめ『 秋深き 海をへだてて ゆりやがいひの すめる見島を はるかみさくる 』と詠まれた。
今年の夏はゆりや貝を探しに見島に行ってみませんか。