御座備図は、藩主への忠誠の意識を新たにするために江戸時代に作られ続けた「集団肖像画」である。馬屋原家は、毛利氏直属の家臣であった大組(おおぐみ)で、藩の要職を務めたこともあるので、本図を拝領したと思う。戦国時代毛利氏の中心であった元就を最上段に配し、二段目は子の隆元(右)、孫の輝元(左)、三段目以下は「毛利十八将」と呼ばれる毛利氏を支えた代表的な武将が並んでいる。三段目には、中央に元就の娘を妻に迎えた宍戸隆家(江戸時代一門)、左右に元就の子である小早川隆景(関ヶ原の合戦後に断絶)と吉川元春(江戸時代一族)がいる。二人は「毛利両川」とよばれ戦国の毛利氏を支えた。