堀内の旧福原家萩屋敷といえば、江戸時代、長州藩の「永代家老」をつとめた福原家の屋敷地であるが、現在は、どういうわけか公益財団法人菊屋家住宅保存会の所有地になっていて、荒れ果てた敷地の中にお屋敷の門だけが往時を忍ばせる。しかし、もう一品四百年の歴史を感じさせるお宝がひっそりと残っている。クロガネモチの木である。道路から見れば敷地は雑木林のように見える。菊屋家の方には申し訳ないが、フェイスブックで萩を情報発信するという大義名分があると勝手に言い聞かせ垣のすき間を失礼すると、伸び伸び育ったクロガネモチの巨木が鎮座ましましていた。「永代家老」をつとめた福原家のお屋敷にクロガネモチ。ご家老様も「金持ち」になりたかったのだろうか。四百年前に植えられた巨木がご家老様のお宝として残っている。
2020
22Dec